Taipei, Taiwan, 2013

Taipei, Taiwan, 2013

About Our Lab

基本的な考え方

歴史とは、自分が居る「今」という場所の成り立ち―すなわちそれがどんな過去の出来事の配列によってできあがってきたのか―を知るためのアート(わざ、すべ)です。その配列は、自らつくらなければ見えてこないものですから、「知る」という言葉は、出来事の配列のありよう、あるいは時間のかたちを構想し、デザインすることとほとんど同義です。また、アートという言葉は、狭い意味の芸術ではなく、日常のなかで誰でも身につけていく技術として、平易な意味で用いたいと思います。そんな視点から、当研究室では、建築史・都市史および建築理論におよぶ領域の幅広い問題を探求しています。

学生諸君には、まずもって「都市・建築を読む」ためのアート、「都市・建築の時間を構想する」ためのアート(の基礎)を身につけること、そのためにはフィールドワークと理論化の往還を徹底すること、そして、いつも「考える自由」を手放さないこと、を信条に、研究室活動に関わって欲しいと思っています。

研究テーマ

研究室の研究テーマとして最も重視しているのは、都市の時間的振る舞いの学を構築することです。手短かにいえば、視野の中心に都市組織論(tessuto urbano)建物類型学(tipologia edilizia)を置き、その時間的な振る舞い(temporal behavior)のパタンとメカニズムを解き明かすこととに主眼があり、これを東京などの日本都市だけでなく、アジアやヨーロッパなどの諸地域で積み重ねることで比較研究へ展開していきたいと考えています。最近数年間は、とくに台湾を主軸として都市・集落の調査研究を継続し、展開し、深化させています。毎年8月は台湾調査、12-1月あるいは3月には他のアジア諸地域などの調査を行うようにしています。また、公開研究会を開き、新しい研究の領野を開こうとしている研究者の皆さんの講演に学び、議論する場も設けています。

こうした研究を進めるなかで着目してきたのが、災害復興史(地震・火災・津波あるいは戦争などの災害「後」における都市の再生メカニズム)の研究です。東日本大震災の発生直後には、三陸沿岸の200以上におよぶ集落について、過去の津波災害の被害と再生の資料をまとめ、公開する作業も行いました。その後、災害復興史の研究を進めるなかで、1920-30年代における日本の社会政策の転換の重要性に気づき、都市計画、住宅政策、災害復興あるいは宗教政策などについて、建築・都市史の観点からこの巨大な転換の実相を探りつつあります。

上述の建物類型学的な観点と、災害復興史的な観点とが合流するところに、テリトーリオ(領域論 territorio)の重要性にも注目しはじめています。また、社会政策史から見えてくる空間編成の実態と、アノニマスな市街形成の現象とをあわせて捉えていくことで、東京の都市史研究の新しい視野が開かれるのではないかと考えています。


Beidou, Taiwan, 2012

Beidou, Taiwan, 2012

学部の研究

学部4年生は卒業設計・卒業論文のいずれかを選択します(例年、設計を選択する人が7〜8割です)。 また、大学院生は修士論文や博士論文に取り組んでいます。これら個人の研究では、各自が関心のあるテーマを立てており、日本や海外の都市史研究、災害復興史研究、作家研究・組織研究、技術史研究など多様です。

所属学生による修士論文・卒業論文・卒業設計の一覧を参照ください。

 

ミーティング/サブゼミ

研究室ミーティングでは個人研究の発表討議を行います(通年)。前期のサブゼミではグループによる文献購読と発表・討議により、ものごとを考えるための基礎的な方法と視点・言葉を身につけます。後期は卒業設計ゼミと論文の個別指導によりそれぞれの成果をまとめていきます。

 

その他

上記以外にも当研究室では、ゼミ旅行、町歩き、フットサル、あるいは他大学の研究室との合同ゼミなど、多様な活動を行っています。